再婚後に親の遺産を相続したら、そのお金は誰のもの?【50代・60代婚活応援シリーズ⑭】

こんにちは。
京都嵐山マリアージュ・ラパンです。

前回は、
「50代・60代の婚活、お金の話はいつする?」
というテーマを書きました。

今回は、その先に起こるかもしれないお金の話です。
50代・60代になると、親から財産を相続することも現実的な年代になります。

例えば、再婚して数年後。
夫の親が亡くなり、夫がまとまった財産を相続した。
さて、このお金は誰のものでしょうか。
「夫婦なんだから二人のお金でしょう」
と思う方もいるでしょう。

一方、
「親から相続したものなんだから、相続した本人のお金でしょう」
と思う方もいるでしょう。
実はこの問題、

法律上の答えと、夫婦の気持ちの問題を分けて考える必要があります。

原則、相続した財産は「相続した本人のもの」

まず基本的なところから。

婚姻中に夫婦が協力して築いた財産と、親から相続した財産では扱いが異なります。

親から相続した財産は、原則として相続した本人の特有財産です。

例えば夫が父親から3,000万円を相続した場合、その3,000万円が自動的に夫婦二人の共有財産になるわけではありません。

これは比較的分かりやすい話です。
でも、問題はここからです。

そのお金で「夫婦の家」を買ったら?

相続した3,000万円を使って、夫婦がこれから暮らす家を購入したとします。

夫は、
「二人で暮らすために家を買ったんだから、二人の家だよ」
と思っている。

ところが妻は、
「でも、お金を出したのは全部あなたでしょう?」
と思っているかもしれません。

毎日一緒に暮らしていても、
「私の家」
ではなく、
「夫の家に住ませてもらっている」
という感覚になってしまう。

これは法律では解決できない、夫婦の気持ちの問題です。
逆に相続した側にも、
「親が一生懸命残してくれた財産だから大切にしたい」
という気持ちがあるでしょう。
これも当然です。

「夫婦なんだから半分」は少し違う

結婚すると、
「夫婦なんだから財産も全部一緒」
と考える方もいます。

もちろん、それで二人が納得しているなら問題ありません。
でも50代・60代の再婚では、少し慎重に考えた方がいいでしょう。

それぞれに、
これまで築いてきた財産があり、
家があり、
子どもがいて、
親から受け継いだ財産がある。
若い頃の結婚とは違って、

二人ともすでに長い人生を背負って結婚します。

だから、
「結婚したのだから全部二人のもの」
と単純に考えない方がいい場合もあります。

相続した本人には「自分の子どもに残したい」という気持ちもある

再婚の場合、さらに難しくなるのが子どもの存在です。

例えば夫には前妻との間に子どもがいる。
妻にも前夫との間に子どもがいる。

夫が親から財産を相続したとき、
「この財産は、いずれ自分の子どもに残したい」
と思うかもしれません。
これは決して、
「再婚相手を大切にしていない」
という意味ではありません。

親から自分へ。
そして自分から子どもへ。
そうやって財産をつないでいきたいという気持ちは自然なものです。
一方、再婚相手からすると、
「私はこの人とずっと生活してきたのに」
という気持ちが生まれる可能性もあります。

ここにも、
どちらが正しいとは簡単に言えない問題
があります。

お金そのものより「扱い方」が問題になる

私は、この問題で大切なのは、
「誰のお金なのか」だけではない
と思います。

相続した本人のお金であることを前提にしたうえで、
「このお金を二人の生活に使うのか」
「自分のために残すのか」
「子どもに残したいのか」
「一部だけ二人のために使うのか」
を話しておくことです。

例えば3,000万円を相続したからといって、
全部を夫婦のお金にするか、
全部を自分だけのお金として扱うか、
その二択ではありません。
いろいろな方法があります。

「自分のお金」「二人のお金」を分けてもいい

前回の記事でも触れましたが、50代・60代の結婚では、

自分のお金
相手のお金
二人のお金

という考え方があってもいいと思います。

例えば相続財産は本人が管理する。
その中から一部を二人の旅行や生活のために使う。
住宅を購入するなら、名義や将来の扱いについても考える。
残したい財産については、自分の子どもへの承継も考える。
何が正解ということではありません。

大切なのは、
二人が納得していることです。

家を買うなら「気持ち」まで話してみる

ここは今回、特にお伝えしたいところです。
相続したお金で家を買うとします。
そのとき、
「この家をどういう家だと考える?」
という話までしてみてほしいと思います。
名義だけではありません。

「ここは二人の家だと思っていいの?」

そんな気持ちの部分です。
お金を出していない側が遠慮してしまう。

何かあるたびに、
「この家はあなたのお金で買った家だから」
となってしまう。

それでは、せっかく二人で暮らす家なのに寂しいですよね。
だからこそ、購入する前に話しておく。

場合によっては、不動産の名義や贈与税など税務上の問題も関係しますから、実際に資金を動かすときは専門家への確認も必要です。

一番避けたいのは「何となく夫婦のお金」にすること

まとまった相続財産が入ってきた。
住宅を買った。
生活費にも使った。
旅行にも使った。
子どもにも渡した。

そうして何年か経つと、
「そもそも、あのお金はどうするつもりだったの?」
となることがあります。

最初に話していないから、お互いの認識が違う。
これは避けたいところです。

お金の問題は、金額が大きくなるほど後から話しにくくなります。
だから、
お金が動く前に話す。
これが大切だと思います。

50代・60代の再婚は「二人」だけを見ればいいわけではない

若い頃の結婚なら、
「これから二人で財産を築いていこう」
という考え方が中心になります。

でも50代・60代の再婚では違います。
これまでの財産。
親から受け継ぐ財産。
自分の子ども。
相手の子ども。

そして、これから二人で築く生活。
過去・現在・未来が全部つながっています。
だから難しい。

でも逆に言えば、
それをきちんと話せる二人なら、安心してこれからの人生を一緒に歩いていけるのではないでしょうか。

仲人からひと言

もし私自身がこの年代で再婚すると考えたら、この問題はかなり難しいと思います。
例えば再婚後、相手が親から大きな財産を相続した。
そのお金で二人が住む家を買ってくれた。
ありがたい。
でも、

「これは本当に自分の家なのかな?」

という気持ちがどこかに出てくるかもしれません。
反対に自分が相続した側なら、

「親が残してくれたものだから、自分の子どもにも残したい」

と思うかもしれない。

人の気持ちは、法律だけでは割り切れません。

だから大切なのは、

「誰のお金か」を決めることだけではなく、
「そのお金をどう考えているのか」を二人で話すこと。

だと思います。

50代・60代の結婚は、若い頃の結婚より少し複雑です。

でも、それぞれが歩いてきた人生を尊重しながら、

「これはあなたのもの」
「これは私のもの」
「これは二人のために使おう」

と話せる夫婦も、私はとても良い夫婦の形だと思います。

相続は「財産」だけでなく、夫婦の価値観が見える出来事

親から受け継いだ財産は、単なるお金ではありません。
そこには親の人生や、家族の歴史もあります。

だからこそ、
相続した人の気持ちを尊重する。

そして相続した側も、
これから一緒に生きていく相手の気持ちを忘れない。
その両方が必要なのだと思います。

お金の額よりも、
お金について安心して話せる関係をつくること。
50代・60代からの結婚では、それも大切な「二人の生活づくり」の一つではないでしょうか。

京都嵐山マリアージュ・ラパン

※相続・不動産の名義・贈与・税金などは個別の状況によって扱いが変わります。実際に財産を移したり不動産を購入したりする場合は、税理士・司法書士・弁護士などの専門家にご確認ください。

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